OpenAIとGoogleは、それぞれの公式チャンネルで新しい情報をまとめて公開しました。今回は、ChatGPT Workを業務のダッシュボード作りに使う三本の動画と、Googleの研究チーム体制の話、そしてOpenAIの安全対策の話をあわせて紹介します。まずOpenAIは、ChatGPT Workを使って意味レイヤーをもとに分析を行う方法を紹介する動画を公開しました。意味レイヤーとは、社内に散らばったデータの定義や指標をひとつの基準としてまとめておく仕組みのことです。ChatGPT Workがこの土台を参照しながら分析することで、担当者ごとに数字の解釈がずれるといった事態を防ぎやすくなります。非エンジニアの担当者にとっては、データの置き場所や集計方法を意識しなくても、社内で決められた定義に沿った分析結果を受け取れる点がメリットになりそうです。逆にいえば、この意味レイヤーが社内で整っていなければ、ツールを導入しても効果を発揮しにくいということでもあります。
続けてOpenAIは、ビジネス上の問いをもとにダッシュボードを構築する使い方を紹介する動画も公開しています。数字を先に並べるのではなく、知りたいことや解決したい課題を起点にダッシュボードを組み立てる流れです。この順序であれば、社内で何のために作ったダッシュボードかが明確になり、後から見返したときにも目的を見失いにくくなります。逆に、手元にあるデータを片っ端から並べる作り方だと、見る人が何を読み取ればよいのか分かりにくいダッシュボードになりがちです。問いを先に立てるという順番そのものは、ChatGPT Workに限らずどのツールでも参考にできる考え方です。
三本目の動画では、ステークホルダーごとにダッシュボードを調整する方法が取り上げられています。同じデータでも、経営層と現場担当者では見たい粒度や切り口が異なります。ChatGPT Workを使えば、共通の分析基盤をもとにしながら、見せ方だけを相手に合わせて変えられるという流れが示されています。この三本を通じて見えてくるのは、データの定義をそろえる、目的から作る、相手に合わせて出し分けるという、ダッシュボード作成の基本的な順番です。エンジニアでなくても、この順番を意識するだけで社内の資料作りが整理しやすくなります。三段階を分けて動画にしているということ自体、OpenAIがこの流れを業務での定番の使い方として位置づけていることのあらわれといえそうです。
同じ時期にGoogleは、AI & Economyチームに新しい専門家が加わったことを公式に発表しています。AIと経済を専門に扱うチームという名称から、AIが雇用や産業に与える影響を継続して調べる体制が広がっていることがうかがえます。またOpenAIは、オーストラリア向けの若年層安全対策としてAustralian Youth Safety Blueprintを公開しました。AIサービスを提供する側が、利用者保護の枠組み作りにも力を入れていることを示す動きです。業務でAIツールを選ぶ立場からすると、提供元がどのような研究体制や安全対策を持っているかは、契約や導入の判断材料のひとつになります。
自社でChatGPT Workのようなツールを使う予定がなくても、意味レイヤーをそろえる、問いから始める、相手に合わせて見せ方を変えるという三段階の考え方は、既存のExcelやBIツールでの資料作りにもそのまま応用できます。あわせて、AI企業が経済研究や若年層保護といった体制整備を進めている点も、取引先やサービス選定の際に確認しておきたい動きといえそうです。今回のように、実務に直結する使い方の情報と、業界全体の体制づくりの情報をあわせて追っておくと、AIツールを選ぶときの判断材料が増えていきます。
Shiki Series
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